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海外移住するとき
日本の家は売る?貸す?

海外へ移住するとき、日本に持ち家がある人には大きな選択が残ります。家を売るのか。誰かに貸すのか。そのまま所有して管理するのか。大切なのは、「海外移住なら売るべき」「家賃収入になるから貸すべき」と最初から答えを決めないことです。

ON HOME編集部 / 公開日 2026年8月30日 / 最終更新 2026年8月30日

海の見えるリビングと、荷造り途中の段ボール箱

この記事で分かること

  • 海外移住前に、日本の家を考える順番
  • 「売る」「貸す」「保有・管理する」それぞれの考え方
  • 帰国する可能性をどう整理するか
  • 住宅ローンが残っている場合に確認したいこと
  • 家の維持管理と、家財や荷物の整理、出国前に決めておきたいこと

「もう日本には戻らないと思う」と考えていても、家族、仕事、子どもの教育、親の状況などによって将来の予定が変わることがあります。一方、「いつか戻るかもしれない」という理由だけで家を残せば、住宅ローン、固定資産税、保険、修繕、管理などが続く場合があります。

日本の家と、これからの暮らしを分けずに考える。それが、海外移住前の住まい整理の出発点です。

最初に「日本へ戻る可能性」を考える

家をどうするか考える前に、「将来、日本へ戻る可能性があるか」を整理します。もちろん、何年後の人生まで正確に決めることはできません。そこで、次のような点を考えます。

  • 移住期間は決まっているか
  • 帰国予定はあるか
  • 仕事の都合で戻る可能性はあるか
  • 子どもの進学等で戻る可能性はあるか
  • 親や家族の事情で戻る可能性はあるか
  • 日本に生活拠点を残す必要があるか

「絶対に戻らない」「必ず戻る」と決められない場合は、1年後、3年後、5年後など複数の時間軸で考えてみる方法があります。ここで重要なのは未来を当てることではありません。どの程度、家を残しておく意味があるのかを整理することです。

「売る」という選択肢

家を売却すると、日本にある住宅を資産として保有し続ける必要がなくなります。一般的には、次のような点があります。

  • 住宅の維持管理から離れられる
  • 売却によって資金化できる可能性がある
  • 固定資産税等の保有に伴う負担が売却後はなくなる
  • 空き家として管理する必要がなくなる

一方で、帰国したときにその家へ戻れない、売却には費用がかかる場合がある、売却時期や市場状況によって条件が変わる、住宅ローン残高との関係を確認する必要がある、といった点も考えます。

売却が適しているかは、「海外移住するから」という理由だけでは決まりません。帰国可能性、住宅ローン、家の状態、資金計画、家族の意向などを合わせて考えます。売却の順序は家を売る前に、最初に考えることにまとめています。

「貸す」という選択肢

家を手放さず、第三者へ貸す方法もあります。一般的には、住宅を保有し続けられる、賃料収入を得られる可能性がある、将来的な帰国後の利用を考えられる場合がある、という面があります。

一方、次のような点があります。

  • 常に入居者がいるとは限らない
  • 修繕や維持管理が必要になる場合がある
  • 賃貸に伴う費用や税務を確認する必要がある
  • 契約内容によって、希望した時期に自分が再び住めるとは限らない
  • 海外からの管理方法を考える必要がある

特に、「貸せば住宅ローンを家賃で払える」という前提だけで決めるのは避けた方が安全です。家賃、空室、管理、修繕、税務など、複数の要素があります。

また、住宅ローン返済中の住宅を賃貸に出す場合は、借入時の契約条件等を確認する必要があります。自己判断で用途を変えるのではなく、契約中の金融機関等へ事前に確認してください。賃貸借契約の内容や税務について個別判断が必要な場合は、それぞれ適切な専門家へ確認します。

「売らず、貸さず、保有する」という選択肢

家を売却せず、第三者にも貸さず、そのまま保有する方法もあります。たとえば、海外生活が一定期間だけ、数年後に帰国する可能性が高い、家族が使用する、将来の方針をまだ決められない、といった場合に検討されることがあります。

ただし、人が住まなくても住宅の管理が不要になるわけではありません。確認したいのは、定期的な換気、通水、郵便物、庭や植栽、雨漏り等の異常、防犯、災害後の確認、設備、保険、固定資産税等です。

住宅の種類や地域、管理方法によって必要な対応は異なります。海外から自分で管理できない場合は、家族等に確認を依頼する方法や、空き家管理等のサービスを検討する方法もあります。持ち続けるという選択については管理にまとめています。

3つの選択肢を「お金だけ」で比較しない

売る、貸す、保有する、を比較するとき、金額は重要です。しかし、金額だけでは決められません。

  • 売る場合:売却価格だけでなく、住宅ローン残高、売却費用、税務等を確認する
  • 貸す場合:想定家賃だけでなく、空室、管理、修繕、保険、税務等を確認する
  • 保有する場合:資産価値だけでなく、維持管理、固定資産税等、保険、修繕等を確認する

さらに、帰国したときに住みたいか。家族に残したいか。海外から管理する負担をどう感じるか。という生活面もあります。

家は数字だけではなく、暮らしと結びついた資産です。だからこそ、「一番儲かりそうな方法」だけではなく、「これからの生活に合う方法」という視点も必要です。

住宅ローンが残っているなら、早めに確認する

住宅ローンが残っている場合は、現在の残高、毎月の返済額、売却する場合の手続き、賃貸する場合の契約上の取扱いなどを確認します。

売却する場合、抵当権が設定されている住宅では、売却に伴うローン返済や抵当権抹消等の手続きが関係することがあります。登記手続について個別の確認が必要な場合は司法書士等の専門家へ確認します。

賃貸する場合は、住宅ローンの契約条件によって取扱いが異なるため、金融機関等への確認が必要です。海外移住が決まってから慌てて確認するのではなく、家の選択肢を比較する段階で確認しておくと整理しやすくなります。

家の中の荷物をどうするか

家をどうするかと同時に、「家の中にあるものをどうするか」も考えます。海外へ持っていくもの。日本で保管するもの。家族へ渡すもの。売るもの。処分するもの。に分けます。

売却する場合は、引渡しまでにどこまで整理する必要があるかを確認します。貸す場合は、家具付きで貸すのか、家財を移動するのかなどを考えます。保有する場合でも、長期間使わないものを家に残すかどうかを整理します。

海外への引越しでは、持っていける荷物にも限りがあります。家の方針と荷物の方針を別々に考えず、同時に進めると整理しやすくなります。仕分けの具体的な手順は実家を売却する前に片付けるべき?処分方法を整理に、引越しそのものの段取りは引越しが決まったらやることにまとめています。

出国後に「誰が対応するか」を決めておく

海外へ移住すると、日本の家で何か起きてもすぐに現地へ行けないことがあります。売却手続きを進める場合。賃貸している場合。空き家として保有する場合。どの方法でも、「日本で対応が必要になったとき、どうするか」を考えておきます。

必要になる対応は状況によって異なりますが、郵便物、建物の異常、設備故障、災害、契約関係、税務関係の書類などが発生する可能性があります。

家族、専門事業者、公的機関等、内容に応じて誰へ確認するのかを整理しておくと、海外へ移ったあとも対応しやすくなります。

税金は、日本と移住先を混同しない

海外移住では、日本の不動産、日本で発生する所得、居住地、移住先国などによって税務上の論点が生じることがあります。

しかし、税務は個別事情による違いが大きいため、本記事では具体的な税額や各国の制度には踏み込みません。日本の不動産売却や賃貸収入等に関する税務判断・申告は、税理士等の専門領域です。

また、移住先国の税制度は国ごとに異なり、制度変更もあります。インターネット上の一般情報だけで判断せず、必要に応じて日本と移住先それぞれの制度に詳しい適切な専門家へ確認してください。なお、本記事では各国のビザ・税制度についての解説は行いません。

迷ったら、3つの質問から整理する

日本の家をどうするか決められないときは、まず3つの質問から考えます。

  1. 日本へ戻って、この家に再び住む可能性はあるか。
  2. 家を保有し続ける費用と管理を負担できるか。
  3. 海外から日本の家を管理する体制を作れるか。

この3つを考えたうえで、売る、貸す、保有する、を比較します。答えが決まらなくても構いません。「何がまだ分からないのか」が分かれば、次に確認することが見えてきます。

海外移住と日本の家は、同時に考える

海外移住するとき、日本の家について考えられる主な選択肢は、売る、貸す、保有・管理する、です。どれが正解かは一律には決まりません。

売るなら、帰国可能性、住宅ローン、売却後の資金、家族の意向。貸すなら、住宅ローン契約、賃貸条件、管理、空室、修繕、税務。保有するなら、維持費、管理方法、防犯、修繕、帰国予定。などを確認します。

海外移住の準備だけを進め、日本の家を最後まで残してしまうと、出国直前に大きな判断が集中することがあります。移住先を考えるのと同じ時期に、「日本の住まいをどうするか」も整理しておくことが大切です。カテゴリ全体は海外移住と住まいにまとめています。

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FAQ

海外移住するとき、日本の家は売るのと貸すのとどちらがよいですか?
どちらが正解かは一律には決まりません。売却は維持管理から離れられ資金化できる可能性がある一方、帰国したときにその家へ戻れません。賃貸は保有を続けられ賃料収入を得られる可能性がある一方、空室、修繕、管理、税務の確認が必要です。海外移住するからという理由だけで決めず、帰国可能性、住宅ローン、家の状態、資金計画、家族の意向を合わせて考えます。
住宅ローンが残っている家を、貸すことはできますか?
住宅ローン返済中の住宅を賃貸に出す場合は、借入時の契約条件等によって取扱いが異なります。自己判断で用途を変えるのではなく、契約中の金融機関等へ事前に確認してください。売却する場合も、抵当権が設定されている住宅では、売却に伴うローン返済や抵当権抹消等の手続きが関係することがあります。登記手続について個別の確認が必要な場合は司法書士等の専門家へ確認します。
誰も住まない家を、海外からどう管理すればよいですか?
人が住まなくても住宅の管理が不要になるわけではありません。定期的な換気、通水、郵便物、庭や植栽、雨漏り等の異常、防犯、災害後の確認、設備、保険、固定資産税等を確認します。必要な対応は住宅の種類や地域、管理方法によって異なります。海外から自分で管理できない場合は、家族等に確認を依頼する方法や、空き家管理等のサービスを検討する方法もあります。

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出典・参考

法務省・法務局(不動産登記) https://houmukyoku.moj.go.jp/
国税庁(譲渡所得、不動産所得) https://www.nta.go.jp/
総務省(固定資産税) https://www.soumu.go.jp/

情報確認時点:2026年8月30日

本記事では、売却価格、想定家賃、税率、管理料、修繕費等について一律の数値を記載していません。物件、契約、地域、時期、個別事情によって異なるためです。

本記事は、海外移住を予定する方が日本の住宅をどう扱うか考えるための一般的な情報提供を目的としています。売却、賃貸、管理、不動産取引、住宅ローン、登記、税務等について個別の判断を行うものではありません。
登記手続は司法書士、税務判断・税申告は税理士等の専門領域です。住宅ローン返済中の住宅を賃貸する場合など、契約上の取扱いについては契約中の金融機関等へご確認ください。
海外のビザ制度、在留制度、各国の税制度については本記事の対象外です。個別事情については、公的機関、金融機関、司法書士、税理士、その他内容に応じた適切な専門家へご確認ください。
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2026年8月30日 公開